Category:印刷のこと
最近、日本ではiPadが発売されて、テレビ、雑誌、新聞、本などで"電子書籍"というキーワードが話題になり、特に目立つようになりました。今後、電子書籍のアプリケーションが出てくることで、本をiPadで楽しむ機会が増えると予想されます。
では、現在本棚にある本をどうするか。今までの手持ちの本をバラしてスキャニングして電子化してiPadに取り込む事を自分でする"自炊"が話題です。
実際にやってみました。
まず始めに、本を用意して背の部分をカットして、バラしていきます。
ご自宅でやられる方は、手持ちの3万円くらいの裁断機を使いますが、
弊社は業務用の大型の裁断機があるので、それを使っていきます。
写真では分かりやすいように、マンガを裁断しました。
きっちりとそろえて
背から2〜3ミリの部分をカット。
こんな感じ。
ちなみに厚み5センチくらいのハードカバーも一発でカット。
カットは簡単。機械がガッチリ押さえて、一発でカットできるので、斜めにズレるなどの心配はありません。
ただ、ハードカバーのページの厚い本は、カット位置を気をつけた方がいいです。背が丸い分、中央のページがカットの際に文字が切れてしまう可能性があります。
次にカットされて、紙の束になったモノを
スキャニングしていきます。
snapscanという機械に通していきます。
名刺サイズから、A4サイズまで。サイズを検知しながら、両面スキャニングをやってくれます。
一度に置ける用紙枚数は約50枚くらい。
200ページくらいのマンガ本は5分ぐらいの時間で終了。
(360ページの文庫本をOCR付きでやると15分くらいかかりました)
スキャニングされたデータはPDFになるので、
あとは、iTune経由でiPadと同期化して取り込んでいく。
PDFには綴じの概念があまりないので、
右綴じの設定をしてページをめくった時に違和感ないようにしました。
色々と裁断して、実際にiPadで楽しみました。
始めは画質的にどうかなと思っていましたが、マンガ、文庫、専門書など、全く問題なく読めます。
あらかじめ電子化されている電子書籍に比べれば、文字のスッキリ具合とか多少の文字の傾きなどありますが、全然気になりません。
今までの本と比べてどうかというと、まず読むときiPadの方が重いです。でも沢山の書籍を詰め込んで持ち運ぶという観点だと、楽ですね。更に、電子化したことで、本棚がスッキリしていくことはメリットがあります。あと、暗い場所でも読めます。
印刷屋としては、色々な人の手を経て、一生懸命作った書籍(版下作って、印刷して、製本して)が一度裁断してしまうと捨てるしかないという事が、なんだか切ない気持ちになります。
質感だったり、手に取る楽しみなど印刷物だけにしかない良い部分もたくさんありますが、電子化の波はある面では受け入れなければならないのでしょう。ただ全てを受け入れるのではなく、アナログの大切な部分はいつまでも残したいですね。
追記
2023年4月17日
本の状態によっては、すぐに裁断が出来ない場合がございますので、お時間に余裕をもって御依頼をお願いいたします。
本の小口部分にインデックスシールなどがございますと、位置決めが難しくなりますので、お受けできない場合もございます。
ご不明な点は、事前にご相談下さい。利用規約など
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