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デザイナー紹介

デザインは"プラスα"。

お店や商品を印象づけたいとき、視覚的にイメージして覚えてもらえる"プラスα"がデザインだと思うんです。

豊島 象

デザイン専門学校を卒業後タワーレコードでPOPの制作に携わり、その後POP制作会社に入社 2011年に独立

突然ですけど、豊島さんの名刺かわいいですね。
この、ゾウのイラストはもしかしてお名前から?

そうなんです、名前が象(ゾウ)という漢字を使うので、コミュニケーションをとるためにも、ゾウのイラストを入れたら覚えてもらいやすいかなと。
デザイナーっぽく、ちょっと格好つけて言うと"視覚化して分かりやすく表現"してみました。

豊島さんの名刺
 
なるほど、名刺1枚のデザインにもちゃんと意味があるんですね。
イラストやモチーフを使ったデザインが得意なんですか?

そうですね、もともと絵が好きというのもあって自然と使うことが多いですし、作っているときも楽しいですからね。僕の場合、育った環境も影響しているんだと思います。父が画家で、母も絵を描いていたので。でも、一番得意なのはわかりやすいベタなデザインなんです。ビールやガムのパッケージだったり、什器関係のデザインだったり、SP(販促物)のデザインをすることも多いので。

ベタなデザインというと、どんなイメージなんでしょうか。

誰の目にも飛び込みやすい、パッと目につく感じですね。色もそうですし、レイアウトもそうですし、抑えるところは抑えて、出すところは出す。まぁ当たり前のことですけど、背景は背景として、タタせるところはしっかりとと言うことです。あとはやっぱり、イラストを入れたりとか、モチーフを使ったロゴは自信ありますよ(笑)。

モチーフのロゴって面白そうですね、作品を見せてもらいたいです。
丸太をモチーフにしたロゴ

たとえば、これは那須のイタリアンレストランのロゴなんですけど、丸太をモチーフにして作りました。那須という土地柄、森林に囲まれていて、建物も木造だし、裏手には石釜に使う薪が置いてあったり、ほんと木がたくさん使われたナチュラル感たっぷりのお店だったんです。お客様からの要望も、自然のイメージを出したいということだったので、そこら辺をどうやって表現しようかなと考えている時に、"木の枝"や"丸太"のイメージは使えるんじゃないかなと思いついたんです。

 
一番こだわったところはどこですか?

モチーフでうまくバランスとるというか、"木"や "枝"に見せてもちゃんと読めるところですね。あとは同じ"a"のアルファベットにしても、それぞれカタチが違うんですよ。ちょっと枝が出てたり、幹の太さが違ったり。そういうところも自然な感じを意識して作り込みました。

ホントだ、同じ"a"でも全然違う文字になってるんですね。
細かいところまで自然のイメージが表現されていて、想いがしっかりと伝わってきます。

ありがとうございます。お客様からも、「イメージにぴったり」と言って喜んでいただけたので嬉しかったですね。このデザインに決まるまでは、他にもいくつか提案していて、たとえばピザの円のカタチを使ったものだったり色々とやってみたんですけど、最終的に、やっぱりこれがいいなということになったんです。

お客様に喜んでもらえるのは何より嬉しいですよね。
もし、ご自身で点数をつけるとしたら何点くらいでしょうか。

80点かな、お客様には満足していただけたので。でも、これは全部に言えることだと思うんですけど、基本的に100点満点はないんじゃないかなって。どんなものでも改良の余地はあるはずだし、もし今まで作ってきたものが100点だったら、新しいもっといいアイディアは絶対出てこないですよね。僕の場合、100点じゃないから次のアイディアがどんどん出てくるんだと思うんですよ。

新しいものを作り続けるのは大変そうですが、
どんな時にアイディアが出てくるんでしょうか。

僕は音楽が好きなので、音があると集中できますね。ブラックミュージックだったりハウスミュージックだったり、だいたい音楽を流していますね。気づくと、鼻歌を歌っていることもあります(笑)。あとはやっぱり、お客様とのコミュニケーションが一番大事ですね。相手が何を求めていて、どんなことがいいのか悪いのか、どこに重点を置いてるのか、そういうことを引き出さなきゃいけないので、できるだけ会話をして、何を考えているのか覗いてみたり、たまに覗かれたりもしています(笑)。

豊島さんの仕事場
 
信頼関係があるからこそ、いいものが作れるんですね。
ところで、これから挑戦してみたい分野はありますか?
DJ名刺(エンボス加工) クラブフライヤー

新しくというよりは、ショップカードもそうですけど、名刺や看板やお店のツールまでひと通り全部やらせてもらえると全体が見えてやりやすいですね、楽しいですし。そういえば、ちょうど今やってみたいなと思っていることがあって、実は僕、趣味でキックボクシングをやっているんですけど、ロゴだったり何かデザインを使ってジムを盛り上げられたらなと。僕は、デザインというのは"プラスα"だと思っているんですね。たとえば販促ツールもそうですけど、もう一押しがあれば売れるはず、というときに"プラスα"で何か加えられるものがデザインじゃないかなと。お店に行ったときにロゴがあって、「このお店のロゴかわいいよね」みたいな話になれば、そのお店は覚えられやすいし印象づけられる。もし、レストランだとしたら、美味しいだけのお店じゃなくて、もう一歩、視覚的にもイメージして覚えてもらえるという"プラスα"があると思うんですよ。

 
なるほど、最後の一押しだったり印象づけるための"プラスα"がデザインの役割なんですね。
では最後に、豊島さんがデザイナーとして心がけていることを教えてください。

そうですね、仕事はみんな一生懸命やってると思うんですけど、僕の場合、そこに結果が伴っていなかったらしょうがないと思っていて。だから、これは僕自身もできているとは言いがたいんですが、"向上心のないやつはバカだ"っていつも言い聞かせて仕事していますね。まぁ、今はインタビューなのでちょっとカッコつけてるところもありますけど(笑)。でも、そのことはいつも心に留めておきたいと思っています。

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