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デザイナーは、デザインしたものがどう使われるのか想定しながら作らなきゃいけない。
佐藤 俊介
1979年 新潟生まれ 桑沢デザイン研究所中退後、グラフィックデザイン事務所、制作プロダクションを経て、ブックデザイン事務所へ入社。雑誌誌面やブックデザインに従事する。2005年よりクミタテ・デザインとして独立
興味が出たのは高校生のときですね。僕は、田舎育ちなんですけど、亀倉雄策さんという東京オリンピックのグラフィックデザインをされた方の出身地なんですね。それで、たまたま展覧会を見に行った時に、「こんな田舎でも、こんなスゴイことができる人がいるんだ!」と衝撃を受けて、僕もやってみようかなと思ったのがはじまりです。
僕は、雑誌のデザインを長くやっていたので、パンフレットやリーフレットのようなページものは得意な分野です。特に、全体の雰囲気を作る作業はとても好きで、たとえば、このページ(写真:左)みたいに、ちょっとユルイ感じや、エコロジーのようなやさしい感じを演出するのはすごく得意ですね。
この時でいうと、僕、ベランダで家庭菜園をしているんですけど、可愛いカタチの葉っぱを見つけたので、なんとなく覚えておいたんです。そしたら、ちょうどこのページに合いそうだったので、思い出して使った感じですね。こういうことは他にも結構あって、たとえば、植木鉢を置いている台がちょっと朽ちてきた感じも、「キレイな色だな」とか、木目だったら、「バームクーヘンみたいでおいしそうだな」とか、色々と発見があるんですよ。そういう、面白いなと思ったことを記憶しておくことはよくあります。
他にも、散歩しながら広告を見たり、フィールドワークもしていますけど、面白いと思ったものは何でも集めるようにしていますね。そういうものを自分の中に溜めておくと、いざ仕事で必要なときに思い浮かぶことが多いんですよ、ふっと、ね。
ぜひお願いします。これは、銀座のBARでオーナーをされている方から、「名刺を作りたい」とお話をいただいてデザインしたものです。このロゴも僕がデザインさせていただいたんですけれど、名刺もロゴもすごく気に入っていただけて、他にもインビテーションカードやらDMやら色々と作らせていただきました。
名刺っていうのは、その人のことが伝わるものじゃないといけないと思うので、お客様自身から色々とお話を聞けると一番作りやすいですね。この時は、オーナーさんの好きなものが大正ロマンだったので、ちょっと古風だけど品があるものだったんですね。そういう情報と、自分自身が感じたオーナーさんの印象を取り入れてデザインしました。
あえて、まっすぐキレイな縁にしないことによって、古風なイメージや女性のしなやかさを演出していたり、"夢や"という名前のお店だったので、ちょっと"夢"っぽい感じも意識したデザインにしています。あとは、Barのお客様が50歳前後の方が多いと聞いていたので、奇をてらわないような、落ち着いた感じになるようにしましたね。
お客様が何を求めているのかを感じ取ることですね。僕は、デザインを作る上ではそれが全てじゃないかと思っているんです。だから、できるだけお話を聞かせていただいて、何を必要としているのか自分なりに理解しようとしています。
お客様に気に入ってもらえるのはもちろんですけど、一番気になるのはカタチになった後のことですね。僕のデザインした誌面や販促ツールが機能して、「大盛況だったよ」とか、「評判よかったよ」という話が聞けたときはとても幸せです。先ほどの名刺も、お店のお客様からも評判が良かったと聞いたので、とても嬉しかったですね。
アイディアが出てこないとか、そういう苦しみはありますね。でも、そういう時は、「もう今日は酒飲んで寝るか!」って感じです(笑)。僕の場合、考え込んでもなかなか出てこないときは、無理をしないで切り替える方なんです。そうすると次の日は、「こうすれば良かったんだ」とか、「こっちの方がいいな」とか、客観的にもう一度新しい気持ちで見ることができるので。基本的に、仕事をしている時はそれしか見えない、聞こえないぐらいになっちゃうタイプなので、適度に息抜きをするようにしています。
デザインとは、機能するものですね。機能するというのは、現状で困っている問題を解決する方法・アイディアのことです。ショップカードや名刺や雑誌も、カタチになって初めて伝わるものだと思うんです。だから、僕たちデザイナーは、デザインしたものがどう使われるのか想定しながら作らなきゃいけない。そうして完成したものが世の中に出た時、うまく機能しているデザインは成功していると思うんです。これにはお客様自身で考えられた事を形にすると言うのも含まれます。戦略的でなくても、お客様が気に入ったものが出来れば、お客様自身で扱いやすいツールになると思うからです。
まったく新しい分野で言うと、電子書籍をもっと使いやすいデザインにしたいなと思っています。今、僕自身がすごく扱いにくいと思っているので。あとは、ショップカードや販促ツールの仕事をもっと増やしていきたいですね。販促ツールは、お客様の顔が見えるのでやっていて楽しいんです。もちろんその反面、シビアなところもありますけど、はっきりしていてとてもやりがいのある仕事だなと思うんです。これからも、"お客様と一緒に作らさせていただく"という姿勢で頑張っていきたいと思っています。
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